ヨガと生活
「タントラヨガをしているときは起きているのと寝ているのはざまにいる」
生徒さんからそんな感想をいただくことがあります。
アシュラム(武道の道場のようにヨガを実践して学ぶところ)では解剖学や生理学、神経反射など実践的に勉強します。ヨガのアーサナ(ポーズ)についても哲学的な意味や解剖生理学な事項を考えたりします。ペアでポーズをとりながら使われている筋肉を確認しあったりなど、実際には座ってばかりではないのですが、いわゆる座学ではしっかりと学びます。
ですが、ポーズの練習をするときはそういったことは全く考えません。わたしがクラスでヨガをお伝えするときにもそういった細かな話はあんまりしません。聞こえたまま動く、呼吸する、といったふうにクラスが進んでいきます。
タントラヨガのシークエンス(ヨガのポーズの流れ、順番)はヴェーダというインドの太古の聖典から導き出されたもので、とってもシンプル。はじめはリラックス自体が難しく感じるかもしれませんが、繰り返して行なっていくうちに自然と流れに身を任せられるようになり、深いリラカゼーションへ、またその向こうへ・・・とリラックスが深まっていきます。
生徒さんが言ってくださる「起きてると寝てるのはざま」はまさに心地よくくつろいでいる状態ではないでしょうか。
座学的に哲学を知らずともタントラヨガのポーズの流れは哲学に沿ったものなので、このヨガを行なっていると自然と身について、ご自身で感じてゆきます。
ヨガを続ける中でその過程を味わって歩んでいただきたいので、あえてヨガのクラスの中ではお伝えしていません。
教える側もする側も、ヨガは「忍耐の科学」でもあります。
ポーズは勢いに任せてぐいっと頑張らない。時間をかけてじっくりとポーズが深まっていくまで待ちます。耐えます。わたしもさっさと口で説明して答えをお伝えするのではなく、ひとりひとりご自身に気づいていただけるようにそっと見守りながら言わないようにと耐えます。答えを渡すことが全て近道で正解ではないのです。
こうして、じっくりと忍耐とともに時間をかけて築いていく自分自身のヨガは生活の中にも活きてきます。
ヨガは生活であり、生活はヨガです。
どんなときもシンプルに。
流れに身を任せてヨガをする。
頭をからっぽにしてヨガをする。
頑張らない。
じっくりと時間をかけて。
高田奈里/Nari
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